遺言書を見つけたら

2019年5月21日

昨日は、令和初の公正証書遺言の作成に立ち会いました。

「令和」もそろそろ聞きなれたので、新鮮さも徐々に薄れてきますね。

さて、「遺言書が見つかったがどうしたらよいの?」という相談がありましたので、以下にまとめてみました。

 

 

公正証書遺言は、自筆証書遺言と違い「検認手続」も必要なく民法の方式にも合致しているので、すぐに使えます。

 

遺言書には「正本」又は「謄本」というスタンプが押してあり、どちらの遺言書を使用したらよいか質問を受けることがあります。

 

どちらも原本と同じ法的効果がありますので、正本、謄本どちらでも構いません。


相続手続に必要な書類としては、遺言書の内容にもよりますが、遺言執行者が決まっていれば遺言執行者と不動産や預金を相続する人(実際にもらう人)の本人確認資料、戸籍、住民票(本籍地記載のもの)、印鑑登録証明書、実印及び被相続人の戸籍一式です。

 

 

疎遠の相続人を探す

2019年5月16日

「疎遠になっていた息子が孤独死したので離婚して離れた息子の実子を探してほしい」

高齢の女性(母親)から、このような相談が来ました。

先妻と後妻にそれぞれ一人ずつ子がいることが判明。

調べた住所へ行き相続が発生したことを無事に伝えることができました。

(予想とおり、二人とも相続放棄です・・・。)

このような相続人を探す方法をまとめてみました。

 

相続人を調査するため、私達は戸籍一式及び戸籍の附票を取得します

戸籍の附票とは聞きなれないと思いますが、住所の移動が記録されている書類の事で、本籍がある役場で戸籍とセットで管理されています。

その書類を見れば、現在の登録住所が判明するので、書留郵便にて相続が発生した旨の手紙を送ります。

一回目の手紙で反応が無ければ、多少文章を変更して2回目の手紙を送ります。

それでも連絡がなければ現地に行きチャイムを押します。

ここでお会いできなければ、ご近所に聞いたり、探偵に調査依頼をしたりする場合もあります。

結果的に見つからなければ、家庭裁判所へ不在者財産管理人選任審判の申立てをして、選任された不在者財産管理人が家庭裁判所の許可を得て遺産分割協議に参加します。

この場合、原則、不在者には法定相続分の相続がなされます。

 

債務がある場合の相続

2019年5月7日

令和最初の仕事は、住宅ローンの「金銭消費貸借契約」の立ち合いでした。

記憶に残る契約です。

さて、債務がある相続のケースについてまとめました。

 

相続とは、積極財産(プラスの財産)及び消極財産(マイナスの財産)のすべてを受け継ぐことです。

積極財産だけを相続することはできません。

例えば、遺産分割協議にて「金融資産は長男が相続をして、アパートローン付きの不動産は妻が相続し、アパートローン返済も妻がおこなう」と合意をしたとしても、債権者である銀行などがその協議内容を承諾していない限り、長男も法定相続分の借金を相続します。

被相続人が実際に借入をしていれば財布の中身、返済明細、通帳、不動産登記事項証明書などを見ることにより、借入先も判明します。

しかし、保証人になっている場合は、このような書面が無いことが多く、見つけるのに苦労します。

保証契約は書面で行わなければその効力を生じない(民446②)ので、この書面を見つけることが重要です。

結果的に、借金ばかりが残っており、一切の承継をしたくない場合は、家庭裁判所にて相続放棄をします。

なお、借金があるのかどうか不明な人が亡くなった場合は、相続放棄をすることを前提にした対処が必要です。

借金の月々返済、未納税金及び未払公共料金などの支払い、預金の引出しや家財などの処分をすると、相続(単純承認)をしたとみなされる可能性があり、相続放棄ができない場合がありますので注意しましょう。

 

 

令和元年初の公正証書遺言

2019年4月26日

平成最後の公証人との打合せに使用した遺言書の下書きに「令和元年」と記載してあり、少しテンションが上がりました。

さて、公正証書遺言の作成について質問が多いので、以下にまとめました。

 

遺言書は、民法に定められた方式で作成しなければなりません。

その中の一つに公正証書遺言(民969)があります。

公正証書遺言とは、①証人2人以上の立会いがあり(相続人等は証人になれません)、②遺言者が遺言の内容を公証人に口授し、③公証人が口述を筆記し、これを証人と遺言者に読み聞かせ又は閲覧させ、④遺言者及び証人がこれに署名捺印し、⑤公証人が方式に則って作成されたものである旨を付記して署名捺印することにより完成します。

公正証書の長所としては、公証人のもとに原本が保管されるので内容の変造や紛失の危険がないこと、遺言の効力が問題になる危険性が限りなく少ないこと、検認手続が必要ないことが挙げられます。短所としては、費用がかかり公証人役場に行かなければならないという面倒な部分があります(ただし、病室や施設から出られない方は、出張費を払えば病室等へ公証人が来てくれます)。

公正証書遺言を作成する場合、まずは遺言内容と不動産など財産の資料、関係書類をまとめておきます。

不動産資料としては、市町村の資産税課等から「不動産課税台帳兼名寄帳」、法務局から不動産の「登記事項証明」です。

れと、遺言者の戸籍謄本、印鑑登録証明書、相続・遺贈させたい方の戸籍等も取得しておきます。

公証役場の手数料は、目的財産の価格や相続させたい人数によって変動します(参考として、当事務所のお客様の平均手数料は約6万円です)。

以上の書類等を持参して公証役場に行き、遺言書作成希望と事務員に伝えますが、その場で遺言作成ができるとは思わないでください。

証人も忙しいので、後日の予約を取るように言われ、その予約日にあらためて来場して公正証書遺言の作成を行います。

遺言内容にもよりますが、所要時間は30分前後で終わり、すぐに公正証書遺言2通(正本、謄本)をもらえます。

 

 

話し合いがまとまらない場合

2019年4月25日

遺産分割の話し合いがまとまらない場合、どうしたらよいか質問されることがあります。

参考になればと思い、以下にまとめました。

 

法定相続人が複数いる場合、共同相続人は、遺言で禁じられた場合を除き、相続開始後いつでも、その協議で遺産の分割をすることができます(民907)。

ただし、1人でも反対者がいる場合は、遺産分割協議はできませんので、さらに話し合いをすすめ、合意の見込みがなければ、遺産分割の調停または審判の申立てを検討します。基本的には、家庭裁判所のお世話になりたい人は少ないですよね。できれば、話し合いで解決したいと考えています。

そこで、相続人だけでの話し合いではまとまらないのであれば、第三者の専門家を交えれば良いのではないかと相談を受けることがあります。しかし、第三者を入れてうまくいくことは稀です。なぜかというと、喧嘩状態にある相手方の代理人から妥協案や分割案を示されても、相手は聞く耳すら持ってくれないからです。相手と話したくないから、自分の言い分を伝えて相手の意見も聞いてほしい(代理ではなく使者)という理由であれば、第三者を交えても良いと思います。

続いて、遺産分割調停について説明します。遺産の分割について相続人間で協議が調わないとき、または協議することができないときは、相手方の住所地を管轄する家庭裁判所または当事者が合意で定める家庭裁判所へ申し立てます。

自分で申し立てることは可能ですが、添付する書類も多いので、申し立てる家庭裁判所へ聞いて下さい(豊橋市・豊川市・田原市・新城市・蒲郡市エリアの管轄は、名古屋家庭裁判所豊橋支部となります)。
遺産分割調停は調停委員を交えた「話し合い」です。意見がまとまらなかった場合、または相続人が一人でも参加しなければ不調に終わり、審判手続きに移行します。

一連の流れや注意点を知るためにも調停申立ての前に一度ご相談下さい。

 

1 / 912345...最後 »