金融機関顧問弁護士の珍回答

2017年9月19日

先週の土曜日は、豊橋市内にある葬儀社(中央葬祭さん)で「終活セミナー」をしました。

台風直前で雨風大丈夫か心配でしたが、意外と天候も悪化せず無事に開催でき一安心。

参加いただいた会員様、スタッフの皆様、有難うございました!

同時開催していた「人形供養祭」会場を覗いたのですが、結構な数のお人形が持ち込まれていてビックリ。

日本人形のような「衣装人形」だけではなく、「ぬいぐるみ」も多かったのも驚きでした。

様々な「想いが宿っている」ことを考えれば、人形もぬいぐるみも変わらないということですね。

 

さて、相続に関係する書類の一つとして、死亡日から過去5年分の取引履歴が分かる書面を請求することがあります。

請求理由として「相続税申告書類として添付する為」以外に、生前の贈与、保険などの契約、債務の有無、年金以外の収入などを確認するためにも必要です。

今件は、遺言執行者(法定相続人ではない。しかし包括受遺者(遺言関係Q&A Q7参照)もある人)に使命された人から、各書類の取得を依頼されたので金融機関を回り取引履歴の請求をしました。

遺言執行者(遺言関係Q&A Q9参照)には様々な義務が存在するのですが、その中の一つに相続財産管理の「善管注意義務」がありますが、相続財産を調べたり、相続財産価値を減少させないよう預金口座の履歴を参考に調査することがあります。

そういった理由から、代理人として各金融機関に請求したのですが、東三河に本店がある某信用金庫だけは出してくれませんでした。

他の信用金庫は出してくれたのに・・・。

なぜ出してくれないのか理由を聞いたら、某信用金庫内の人だけでは判断できないので顧問弁護士に聞いてから理由をお伝えしますとの返答あり。

5時間後、返答がきました。

その理由は・・・

「残高証明書は出してもよいが、履歴は『法定相続人』以外には出してはダメ」

?????

この回答に愕然としました。

遺言執行者が財産調査をしなければならないような内容の遺言書なのに、財産管理義務があるのは民法の条文にも判例にも載っているのに。

後で遺言執行者が追求されるようなことがあれば責任を取ってくれるのかな?

無理だろうな。

(念のため、弁護士名、某信用金庫担当者、返答時間、返答内容はメモしてあります)