2025年8月のブログ記事

亡き父の遺言書を勝手に破棄された

2025年8月28日

なぜ、遺言書を破棄したのか、その理由が問題です。

民法には、相続に関する被相続人の遺言書を偽造し、変造し、破棄し、又は隠匿した者は、相続人になれないと規定されており、これを相続人欠格といます(民891条⑤)。

この891条5号による制裁は、遺言書内容が気に入らず、誰にも知られずに破棄して違法利得をしようとする意思が相続人に有るのか無いのかが重要です。

最高裁判所も、相続人が相続に関する被相続人の遺言書を破棄又は隠匿した場合において、相続人の破棄隠匿行為が相続に関して不当な利益を目的とするものでなかったときは、遺言に関する著しく不当な干渉行為ということはできず、相続人は、民法891条5号の相続欠格者には当たらないと判断しています。

公正証書遺言は隠匿や変造を事実上行うことはできませんが、自筆証書遺言では、隠したり破棄したりする事案が実際にあります。

なぜ破棄するのか?

破棄したい理由があるからですね。

ほとんどの場合は、上記で記載したとおり違法利得を得ようとする理由からです。

こういう視点からも遺言書は公正証書にしておきましょう。

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公正証書遺言を病室で作成したい

2025年8月21日

公正証書遺言を入院中又は施設入居時に作成したいという人が増えています。

公正証書と聞くと難しそうで面倒なイメージが強く、公証役場まで行く元気もないから無理だと思うかもしれませんが、行政書士などの専門家に頼めば簡単に作成できます。

事前に予約した日時に公証人と事務員が病室まで来てくれます。

遺言者と証人2人以外は病室から出なければならず、他の患者さんと同室の場合は別室にて作成する事になります。

遺言内容に間違いが無いか公証人が遺言者に質問をするのですが、「○番地○の不動産は誰に相続させたいですか?」との質問に対して「長女の○○です」と明確に答えられるようでなければなりません。

たまに、薬などで意識がもうろうとしている中、公証人とのやりとりをはじめてしまうケースがありますが、当然、その日は遺言書作成に至りません。

経験談ですが、末期がんを患っていた方から遺言書作成のご依頼を受け、打合せの日は元気でしたが、それから3日後に作成のため病室に伺ったときには、口から食事もとれない状態まで悪化しており、結果的に遺言書作成に至らなかったことがあります。

そのときは、もう一日早く伺っていればと後悔したものです。

ちなみに、公証人の費用は、日当(4時間以内)、交通費の実費が加算されます。公証役場まで来られない理由が面倒だからなどの理由では、簡単に出張を承諾してくれないので注意して下さい。

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遺言書ではなく遺産分割協議に変更したい

2025年8月5日

遺言書が出てきたが、遺言書の内容とは違う分割をしたいというケースもあります。

遺言執行者がいない場合で、遺言と異なる内容の遺産分割協議が成立した場合には、相続人の意思や財産管理の自由を尊重し、これを有効な合意と解釈するのが一般的です。

これに対して遺言執行者がある場合には要注意です。

遺言執行者がある場合には、「相続人は、相続財産の処分その他遺言の執行を妨げるべき行為をすることができない」と民法1013条は規定しているので、遺産分割の合意はこの規定に違反して無効だと最高裁が解釈した判例があるのです。

しかし、この考え方には様々な問題点があると指摘されています。そもそも、相続人がみんなで「それでいい」と言っているのに、遺言執行者だけが「そんなのダメ」というのはおかしいですよね。

下級審判例では、こういった不都合を回避するような判示をしています。 確定的な回答はできませんが、遺言執行者がある場合、遺言執行者と相続人全員が遺産分割協議での合意に問題ないと判断していれば、絶対的無効とは言えないということです。

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