令和元年初の公正証書遺言

2019年4月26日

平成最後の公証人との打合せに使用した遺言書の下書きに「令和元年」と記載してあり、少しテンションが上がりました。

さて、公正証書遺言の作成について質問が多いので、以下にまとめました。

 

遺言書は、民法に定められた方式で作成しなければなりません。

その中の一つに公正証書遺言(民969)があります。

公正証書遺言とは、①証人2人以上の立会いがあり(相続人等は証人になれません)、②遺言者が遺言の内容を公証人に口授し、③公証人が口述を筆記し、これを証人と遺言者に読み聞かせ又は閲覧させ、④遺言者及び証人がこれに署名捺印し、⑤公証人が方式に則って作成されたものである旨を付記して署名捺印することにより完成します。

公正証書の長所としては、公証人のもとに原本が保管されるので内容の変造や紛失の危険がないこと、遺言の効力が問題になる危険性が限りなく少ないこと、検認手続が必要ないことが挙げられます。短所としては、費用がかかり公証人役場に行かなければならないという面倒な部分があります(ただし、病室や施設から出られない方は、出張費を払えば病室等へ公証人が来てくれます)。

公正証書遺言を作成する場合、まずは遺言内容と不動産など財産の資料、関係書類をまとめておきます。

不動産資料としては、市町村の資産税課等から「不動産課税台帳兼名寄帳」、法務局から不動産の「登記事項証明」です。

れと、遺言者の戸籍謄本、印鑑登録証明書、相続・遺贈させたい方の戸籍等も取得しておきます。

公証役場の手数料は、目的財産の価格や相続させたい人数によって変動します(参考として、当事務所のお客様の平均手数料は約6万円です)。

以上の書類等を持参して公証役場に行き、遺言書作成希望と事務員に伝えますが、その場で遺言作成ができるとは思わないでください。

証人も忙しいので、後日の予約を取るように言われ、その予約日にあらためて来場して公正証書遺言の作成を行います。

遺言内容にもよりますが、所要時間は30分前後で終わり、すぐに公正証書遺言2通(正本、謄本)をもらえます。